北京飯店はタイフリークの間ではかなり有名な店です。小さな決して清潔とは言えない店ですが、スワニーさんがいつもいつも笑顔で対応してくれるのが救いでした。バンコクはヨーロッパや西アジア、インドなどを旅行するバックパッカーの中継地点でした。インドやパキスタンを旅行してヘトヘトになった旅行者たちが帰国の途中でここに立ち寄り久しぶりの日本食を味わったのです。味噌汁、焼き魚、冷奴、納豆、豚肉の生姜焼き、トンカツ、チャーハン、等々は長旅で疲れ果てた旅人たちの心を休めてくれました。場末でもこれだけ美味しく感じるというのが実感です。狭い店の中には小さなテーブルが三つほどしかありませんが、テーブルの上に小さな本棚があり旅人が残していった週刊誌や漫画、文庫本等々が置かれてあります。旅人はこれらの雑誌を懐かしそうに眺めながら、ビールを飲んだり、食事をしたり、雑談したり…、当時は日本人貧乏旅行者の溜まり場だったのです。スワニーさんは日本人のくだらない話を真面目に聞いてくれる数少ない人でした。タイフリークでスワニーさんのお世話になった人は結構多いのではないでしょうか。私もその末席を汚しています。昨年の6月スワニーさんを久しぶりに訪ねましたが、もはやあの厚化粧もされていなくて別人かと思いました。時の流れっていうものは本当に非情なものですね。(スラチャイ記) 北京飯店(店の左側の鉄製スライド式扉をくぐり2Fの楽宮ホテル受付へ)
photo by srachai from OCNフォトフレンド スワニーさん(20年くらい前の写真)
photo by srachai from OCNフォトフレンド